タイBLティスティングマップ

これは、巷で話題のタイBLを見てみたいけど、何を見ていいか分からない、とか、 流行りの2gatherを見て面白かったけど、次は何を見ていいか分からない、とか、 そんなタイBLの入口付近で迷っている子羊たちの参考になればと作成したティスティングマップです。 あくまで筆者が味わった主観に基づいていますので、感じ方の個人差による誤差はご容赦ください。

k.芳醇辛口雑味無し

k.芳醇辛口雑味無し
恋愛甘辛度:2 辛い,切ない,ドロドロ系
男子純度 :1 女子の恋バナ不要。
エロ度  :2 ほどほどのエロは必要かな。

Call It What You Want~BLドラマの作り方~

(2021)
©Portico Media

左:Time 右:Benz

視聴方法U-NEXT
Amazon
ビデオマーケット
GYAO!
ひかりTV

BL残酷物語
当作品の監督が、過去に監督したBLドラマの現場で実際に経験した出来事をベースに制作されたフィクション。
映画の制作費を持ち逃げされて途方に暮れていた映画監督ジェームス(Time)は、スキャンダルによってキャストの入れ替わりが発生したBLドラマの監督を格安の報酬で引き受けることになる。
出演俳優と対面すると、攻役のバス(Michael)は体づくりのためにプロテインしか与えられず、受役のエイト(Benz)は整形手術を強要されていた。人懐こくて愛くるしいエイトに甘えられ、距離を縮めるジェームスとエイトだったが、プロデューサーのティーに気づかれ、俳優と親しくすることを禁じられる。
しょっぱなからエイトのキャラが強い。可愛い顔してクスクス笑いながらとんでもない下ネタぶっこんでぐいぐいアプローチしてくるエイトに、押されまくりのジェームス。最初の一瞬だけ引き気味、でも可愛いからすぐ意識しちゃう。うん、しゃーないジェームス。エイト可愛いからな。
禁じられながらも惹かれ合うジェームスとエイト。一方、空腹とストレスで意識が朦朧とするほど追いつめられるバス。ジェームスの親友マルコ(Daniel)は切ない片思いに人知れず涙する。
タイBLの歴史はまだ浅く、一気に巨大マーケットに成長したコンテンツなので、黎明期の闇をたくさん抱えているのは想像に難くなく、この作品に描かれているように、俳優を主として裏では多くの犠牲が生じているのだろう。この作品をきっかけにタイBL制作現場でのハラスメントを問うハッシュタグ"safeBL"も誕生。消費する側も決して目を背けてはいけないテーマ。

Call It What You Want~BLドラマの作り方~ Season2

(2021)
©Portico Media

左:Michael 右:Daniel

視聴方法U-NEXT
Amazon
ビデオマーケット
GYAO!
ひかりTV

BL残酷物語その後
Call It What You Want~BLドラマの作り方~」の続編。
周囲に隠れて付き合うBLドラマの監督ジェームス(Time)と受役の俳優エイト(Benz)。体づくりのためにプロテインしか与えられない攻役の俳優バス(Michael)は、空腹とプロデューサーからのセクハラと家族関係のストレスで死にたいほど追いつめられていた。そんなバスの様子を心配したジェームスの親友マルコ(Daniel)は、バスを助手席に乗せて海までドライブ、海辺のホテルに泊めて悪夢にうなされるバスを慰める。
ラブラブで幸せなジェームスエイトとは対照的に、終始泣いて吐いてパニクって、しまいには手が震えてスマホもまともに操作できなくなってやっちゃいけない誤送信までしちゃうバス。一見へなちょこ過ぎるように見えるかもしれないが、これはしゃーない。だってバス飯食ってないもん。暗い寒いひもじいは落ち込んでる人間が一番身を置いちゃいけない状態だからね。
スキャンダルで降板したエイトの前の受役俳優ガプラオ(Kaprao)が、役を降ろされた本当の理由を暴露し、プロデューサーと監督と主演俳優でイメージ回復の記者会見を行うこととなったが、そこでジェームスは、エイトは、バスは、どう行動し、何を話すのか。
アプローチ中は年上ジェームスを翻弄して小悪魔的に可愛かったエイト、付き合いだしたら、初めての恋人への乙女行為がピュア過ぎて可愛さがもうどうしようもないことになってる。年上彼氏が起きる前にこっそりベッドを抜け出して、口臭ケアして何事もなかったかのようにベッドに戻るエイト。なにそれ可愛い。てか若いエイトよりジェームスの方が絶対寝起きの口臭気になると思うぞ、正直言って。
あとストーリーとは関係ないけど運転シーンの雑すぎる合成が気になりすぎる。なんとか気にしないで見て。

On Cloud Nine

(2022)
©MIND TRIO

左:Rossi 右:Meen

視聴方法:YouTube 

www.youtube.com

こちら側とあちら側の間で
始まりは、他には誰もいない大自然の中の風光明媚な舞台。一人旅だろうか、やまびこにあいさつするモーク(Rossi)。その隣に現れ、当たり前のように傍にいるティウ(Meen)。
誰?知ってたっけ?
あっち行けよ。
・・・誰?知らない?
・・・また、会えるのかな?
ファンタジックホラーみたいな不思議な導入で、思わず、トトロ?トトロなの?と言いたくなったが、トトロではなかった。
傷つけあった過去。忘れられた約束。待ち続けて、またここで出会えた。ほんの少し、残された時間で。
元々全13話の予定が予算の関係で全6話のミニシリーズになったらしく、それでなくても複雑なストーリーがぎゅっとコンパクトにまとめられすぎてかなり難解なストーリーになっちゃってます。結局説明されずじまいの伏線やエピソードが散乱してるので、描写しきれてない箇所は己の想像力で補うしかないのですが、悲しくて美しくて、でも悲劇ではない、甘く切ない物語です。